写真展 「須賀利からのメッセージ」 開催のご挨拶     2005年12月13日

 尾鷲市須賀利町は、熊野灘に面した湾奥にあり、人口400人に満たない漁業の町。昭和50年代に県道が通じるまで巡航船が唯一の交通機関という陸の孤島で、今も行政上の飛び地となっています。
 温暖な風土と長い歴史によって培われてきた風情の中で、ゆっくりと、しかし確実に移ろう時を刻むように、今日も日に4便の巡航船が海路を往来する浦里には、風化することなく現在に伝えられた佇まいが随所に残っています。
 須賀利を訪れるようになって1年余り、四季折々の表情で迎えてくれる情景を捉えた1,200枚を超えるフィルムの数々は、今だ習作の過程にあるものですが、このまま忘れ去るには忍びないものがあり、写真家 長島幹生 先生のご指導のもと、尾鷲市との共催をはじめとした地元の皆様のご協力を得て、このような展示の機会を与えていただくことができました。
 ここに展示した写真は、私が須賀利から受けたメッセージを表現したものの一部ですが、須賀利からは、私たちの心の琴線に触れるもっともっと多くのメッセージが発信されています。どうか一人でも多くの皆様が、古くからの海路を通る巡航船で須賀利を訪れ、これらのメッセージを体感されることによって、忘れかけていた原風景を共有していただけるよう祈念いたします。